ネットビジネスが性に合っていると思ったのは、まだ最近なんですが、
ネットビジネスの素性があるのかもしれないと、記憶を遡ると、20年前ぐらいのバイトの出来事が思い出される。
ネットビジネス、すなわりビジネスオーナー、すなわち自分で考えて行動する人。
20年ほど前から、年末年始だけ募集している、弁当工場の短期アルバイトに行っていた。
年末年始の割には時給も安いし、こき使われるし、「キツイ」「キビシイ」「キレイに徹底」の3Kな工場だった。
弁当工場には、4つのレーンがあり、それぞれのレーンで、ひとつの弁当を完成させていく。
例えばのり弁を作る場合、レーンに配置されると、自分の乗せるものが割り当てられる。
のり弁の流れ作業
弁当箱を1つとって、ごはんを詰める人
↓
のりとおかかをのっける人
↓
魚のフライとちくわの天ぷらをのせる人
↓
たれをのせて、たくあんの漬物を詰める人
↓
きんぴらごぼうを詰める人
↓
すべて入っていることを確認して、弁当の中身がはみださないように
フタをする人
↓
ラベル貼りをして出荷する人
↓
出荷倉庫へ
こんな感じの流れで、とにかくスピードが速い。
20年前の当時は、弁当工場で働いているパートさんたちが怖い人ばかりで、
バイトの私はいつも怒られていた。
でも、オートメーション指示をする主任の人は、とても優しい人で、
私のことを、バイト以上に仕事を持たせてくれた。
フィリピン人との言葉の「壁」
当時より、フィリピン人とか、外人が多く、「言葉が通じない」と
主任がぼやいた。
その日、私は帰宅後すぐに、パソコンで日本語翻訳を作成。
翌日、主任に「これ、使ってください」と渡した。
工場内で、指示する言葉がフィリピン語に翻訳されているので、
文章に指を指すだけで、指示できるようになっている。
確か発音も載せておいたと思う。
けっこう外人が多くって、香水禁止なのに香水のニオイがバンバン漂っていた。
「工場で香水をつけるのは禁止です」とか、そういうのも書いたと思う。
はっきり言って、帰宅してまでやったけれどこんなことはバイトの身分でやることじゃないと思う。
でも主任が言葉が通じなくて困っている姿を見て、なんとかしたいと思った。
もしも言われたことだけをこなすのなら、レーンに立って、オートメーション作業の
ひとつとして、ただ黙々とこなすだけだったかもしれない。
でも私の場合、隣を見て、前を見て、先を見て、どこかでつまずいている人はいないか、
困っている人はいないか見て、滞りなく作業ができるように、ちょこちょこ動いていたので、
それが買われたんだと思う。
いま思えば、ビジネスオーナーの要素があったのかもしれない、と、
ひとりで嬉しくなった、いま思えば懐かしい思い出です。
298円弁当の秘密
10年前ぐらいから、298円弁当なるものが登場した。
リーマンショックの影響もあって、少しでも安くあげたいサラリーマンや、
学生などに好評で、すぐに売り切れてしまう298円弁当。
弁当工場で働いていて、なぜ298円が実現できるのかが、
よ~くわかった。
298円弁当に使われているおかずは、単価が安いのも努力しているのかも
しれないけれど、それだけじゃなかった!
298円弁当で企業努力していることとは?
298円弁当を実現できるのは、「人件費」だった。
つまり、1つの弁当を作る時間を短くスピーディーにこなす。
時間が短くなることにより、人件費が少なく済み、298円が実現できる。
たったそれだけ。
ちんたらちんたらレーンに流して、おかずを詰めていては時間がかかる。
だから298円弁当だけは、いつも働いているパートさんたちを配列して、
テキパキと、ごはんやおかずを詰めていく。
300個の298円弁当が10分でできてしまうとか、そんな感じ。
短期アルバイトのなかでは私だけが引き抜かれてそのレーンに
入れさせてもらえていたのだった。
お弁当工場は、やることはシンプルだけれども、
段取りがすごく重要。
そして、いかに早くキレイに弁当を作るかによって利益も変わってくる。
そういったことがわかることがすごく楽しくて嬉しかったのだった。
いろいろと学びの深い、弁当工場でした。